いつか来た道
Cosi  ridevano


2001年1月27日(土)から2月16日まで、俳優座トーキーナイトにて全日ロードショー

兄さんは、しあわせなの?
シチリアから大都会トリノに出てきた兄弟の絆を翻弄する過酷な運命


【解説】
 1998年ヴェネチア国際映画祭グランプリ(金獅子賞)受賞作品。
 『小さな旅人』(92年カンヌ国際映画祭審査員特別グランプリ)『宣告』(96年アカデミー外国語映画賞ノミネート)のジャンニ・アメニオ監督作品。
 1958年から1964年までの6年間が舞台。シチリア島から北イタリアの大都市トリノへ出てきた兄弟の物語。各年のある1日ずつを章として描きそれぞれ「到着」「嘘」「金」「手紙」「血」「家族」の6章の構成で、2人の兄弟が高度成長期の時代の波に呑み込まれた運命の物語を描く。

(1998年イタリア映画/2時間4分 スコープ・サイズ)
配給:オンリー・ハーツ+日本トラスティック

公式ページ:http://www.onlyhearts.co.jp/

【ストーリー】
 シチリア島からイタリア北西部の大都市トリノへ出てきた兄弟。読み書きができない兄のジョヴァンニは、息子のように愛する弟のピエトロには教育を受けさせ、学校の教師なってほしいと願っていた。ピエトロを学校に通わせるためにどんな仕事でも厭わず引き受けるジョヴァンニ。ピエトロはそんな兄を少しでも楽にしてあげたいと思っていた。しかし、そんな二人に時代の流れと都会の逆らいがたい誘惑が襲いかかり、彼らの小さな目論みさえも飲み込もうとする。そして運命のいたずらが、彼らの人生を思いもしない方向へ運んでゆく…。

情報提供:オンリー・ハーツ
(写真も含む)


【みどころ】

久々にイタリアらしい見ごたえのあるイタリア映画です。
舞台がトリノで、トリノの町がとてもきれいに撮られている映画です。でも、お話の方は結構ズシツとくる映画です。

兄が学校にいけず学がないので、自分は苦労をしてでも、弟には立派な職につかせようとする兄と、兄の無学を恥じたり兄の期待が重荷になる弟の気持ちのズレが、年々変化を遂げて行くお話で、時代背景も効いていて、やはり“運命のいたずら”のようなものが作用しています。

その変化を明確にして心境を明らかにするために6年間の各年の1日、更に各日毎に「到着」「嘘」などテーマがつく構成は、ジワジワとした変化を表し、オムニバスような分離した感覚ではない。

シチリア出身というのがここでは結束のキーワードであると共に、コンプレックスでもあり、シチリアのシチリアたる所以なのかなと思います。

各章のようになっていながらも、前に出てきた人がひょこっとでてきたりするのも、面白いところです。
また、音楽効果も素晴らしく、時代に即した曲が流れますので、お聴き逃しなきよう。


【サウンドトラック盤】

時代を反映したポップスとあわせて、哀愁あふれる音楽が全編を包み込みます。
音楽はフランコ・ピエルサンティ。

[入手情報]
輸入CD店でも扱っていないようです。海外通販サイトを探してみてください。(2000.12 現在)



RCA(BMG RICORDI  S.p.A)
74321622392

COLONNA SONORA ORIGINALE DEL FILM
cosi ridevano
(「いつか来た道」オリジナルサウンドトラック)
Music by FRANCO PIERSANTI


1. UN BUCO DELLA SABBIA (Mina)
2. ARRIVI
3. 20 GENNAIO
4. INGANNI
5. ONE WAY TICKET(TO THE BLUES) (Neil Sedaka)
6. GIOVANNI
7. PIETRO
8. FRATELLI (VERSIONE ORCHESTRALE)
9. LETTERE
10. CUCARA CHA CHA CHA (Perez Prado)
11. I LIBRI
12. SHE'S A LADY (Paul Anka)
13. TRAM
14. SANGUE
15. ERA DE MAGGIO (Marco Testa)
16. LA MER (Franco Giuffrida)
17. LA RISA TELLA
18. FRATELLI (PIANO SOLO)
19. BREAKING UP IS HARD TO DO (Neil Sedaka)
20. FAMIGLIE