マレーナ
Malena

2001年初夏、丸の内プラゼール他全国松竹系劇場にてロードショー

『ニュー・シネマ・パラダイス』『海の上のピアニスト』
ジュゼッペ・トルナトーレ監督が贈る永遠の、最高の片思い。
人生を決める最大の恋、13才の少年の恋は遠くから見つめる切ない恋。


【解説】
 『ニュー・シネマ・パラダイス』『海の上のピアニスト』のジュゼッペ・トルナトーレ監督の新作は13才の少年の切ないあこがれの物語。ふたたび監督の故郷シチリアを舞台に、少年のあこがれの目を通した大人の女性マレーナの愛と絶望と孤独を描く。第2次世界大戦中、独裁者ムッソリーニのもと、ナチの進攻を許し、後にアメリカが街中を闊歩する激動の時代に、少年はひとりの女性を愛することで時代を生き抜き、感受性豊かに真に大人の男として成長していく。

 出演は、あこがれの女性マレーナに『ドーベルマン』でヴァンサン・カッセルの相手役で注目されたモニカ・ベルッチ。少年レナードには2000人の中から選ばれたジュゼッペ・スルファーロ。

 スタッフは撮影、美術、衣装、音楽など主要スタッフを『海の上のピアニスト』チームが引き続き担当、息の合うところを見せている。

(2000年イタリア、アメリカ映画/1時間32分 シネマスコープ/ドルビーデジタル)
配給:ギャガ・ヒューマックス
公式ページ:http://www.malena-jp.com/


【ストーリー】
 レナードがマレーナに初めて会ったのは、戦争が始まって間もない1940年の晩春、12歳半の時だった。シチリア島の漁村カステルクトの長く続く海岸通り。年長の悪ガキたちと彼らの密かな楽しみである、村いちばんの美女マレーナを見る儀式に参加したのだった。海岸沿いの家に住み、結婚してすぐ夫が戦争に招集され、夫を想い、目の見えぬ父の面倒を見ているマレーナ。初めてマレーナを見たレナードは彼女の美しさに釘付けになり、彼女の虜となったのだった。ところが、彼女に魅入られたのはレナードだけでない。そのころ、町じゅうの男たちがマレーナに熱い眼差しを送っていた。そして街の女たちは彼女に嫉妬の念をもち口々に陰口を囁くのだった。しかしマレーナはそんな周囲のことなど眼中になく夫のことだけを想っていた。
 ところが、ある日、マレーナのもとに夫の戦死の報が伝えられたことから、彼女の人生が一変する、、、、、、

情報提供:ギャガ・コミュニケーションズ
(写真も含む)


【みどころ】

授業中だってマレーナのことで頭がいっぱい、、

前半はかなりレナードのあこがれと、妄想とがごちゃ混ぜになったような、マレーナへの想いが展開します。
『ニュー・シネマ・パラダイス』『海の上のピアニスト』にも描かれたあこがれの女性への想い。本作ではさらにエスカレートした行動、“偏執的”以上に“変質的”だったりする行動まで含めて、想いが募られていきます。

この一途な彼女への想いが、後半、逆にうまい方向にひっくり返ってくれるのです。
じつは、この映画は、マレーナに憧れる少年の話ではなくて、少年の目を通して見たマレーナの物語。少年とマレーナの接点が実際にはないので、マレーナ自身の視点では描かれないのです。夫の訃報が知らされてから彼女の人生は悲惨な転落の一途をたどります。街の噂も彼女を敵に回します。

ウェットな映画を作るなら、絶対マレーナから過酷な境遇を描いた方が“泣ける”映画になるはずなのに、あえて、この少年の目から描いています。思い入れの深いばかりに、かなり危ない妄想の世界を展開していた少年なのに、それが却って、周囲に毒されない、唯一の彼女の味方になれる、良き理解者になれる。でも傍観者いることしかできない彼はマレーナに手を差し伸べることができず、本当に切ない思い。表面的な泣ける映画でなく、切ない思いを募らせることで、この映画の深い深い思いが胸に飛び込んでくるのです。


【ジュゼッペ・トルナトーレ】

1956年シチリア生まれ。16歳の時に2つの舞台演出と短編映画の監督を行い才能を開花する。テレビ局RAIの目にとまり、79年よりドキュメンタリー作品等の監督を行う。86年『“教授”と呼ばれた男』で映画デビューイタリア・ゴールデングローブ賞新人賞を受賞。第2作の『ニュー・シネマ・パラダイス』がカンヌ映画祭審査員特別賞、アカデミー外国語映画賞を受賞する。以後『みんな元気』、『夜ごとの夢』、『記憶の扉』、『明日を夢見て』『海の上のピアニスト』を監督し、イタリアのみならず、日本をはじめ世界中で支持されている。
☆ ジュゼッペ・トルナトーレの世界

『マレーナ』の公開を前に、トルナトーレ監督作品5作品の上映と、『マレーナ』他のプレミア試写が行われます。

  4月14日〜5月19日
   於  東京都写真美術館
       前売券 1000円
       当日券 大人1200円 小・中学生1000円
    4/14-4/20 ニューシネマパラダイス
    4/21-4/27 記憶の扉
    4/28-5/4 ニューシネマパラダイス  完全オリジナル版
    5/5-5/11 明日を夢見て
    5/12-5/18 海の上のピアニスト
    5/19 トルナトーレのシシリアで見た夢
        マレーナ
    ※5/19のみプレミアム試写会(招待制)
   

【サウンドトラック盤】

音楽はもちろん、エンニオ・モリコーネ。
ジュゼッペ・トルナトーレ監督は、長編デビュー作『“教授”と呼ばれた男』は音楽担当は別(ニコラ・ピオバーニ)でしたが、2作目の『ニュー・シネマ・パラダイス』以降は『みんな元気』、『夜ごとの夢』、『記憶の扉』、『明日を夢見て』『海の上のピアニスト』と続けてエンニオ・モリコーネとコンビを組んでいます。トルナトーレ作品の時はシナリオ執筆時に同時進行で音楽作りを行っているそうです。

劇中、マレーナのテーマのようにレナードが繰り返し聞く曲、"MA L'AMORE NO" もインストルメンタルですが収録されています。
1943年のヒット曲にモリコーネ自身も想いを重ねていたのかもしれません。

[入手情報]
輸入CD店(HMV,タワーレコードなど)で入手可能です。(イタリア盤の他、アメリカ盤もある。今回はジャケ違いで収録曲は同じ)
(2001.3 現在)


RTI MUSIC, Srl
5015582

Malena
Musiche di
Ennio Morricone


(「マレーナ」サウンドトラック)



1.INCHNI IPOCRITTI E DISPERAZIONE
2. MALENA
3. PASSEGITA IN PAESE
4. VISIONI
5. MELLA CASA....
6. MALENA (Titoli di coda)
7. LINCIAGGIO
8. ORGIA
9. IL RITORNO
10. BISBIGLI DELLA GENTE
11. MA L'AMORE NO
12. CASINO-BOLERO
13. ALTRO CASINO
14. VISIONI (FANTASIE D'AMORE)
15. CINEMA D'ALTRI TEMPI
16. IPOCRISIE
17.PENSIERI DI SESSO
18.MOMENTI DIFFICILI