ホフマン物語
The Tale of Hoffmann
2001年1月27日(土)から3月9日まで、キネカ大森にてロードショー
(2/24 〜 3/9 はモーニング上映)
初演から120年、映画製作から50年、
色鮮やかな色彩と新鮮な感動、
オリジナル全長版初公開
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【解説】
『ライフ・イズ・ビューティフル』のオペラ鑑賞シーンや収容所で妻に向けてレコードを流すなど、印象的に使われた曲が『ホフマン物語』(舟歌『美しい夜』がモチーフ)。人々を虜にするオッフェンバッハの音楽に奏でられたファンタジー・オペラを『天国への階段』『赤い靴』のマイケル・パウエル&エメリック・プレスバーガー製作&脚本&監督にて映画化。オペラ+バレエ+映画による三位一体となった本作は、ベルリン映画祭で銀熊賞、カンヌ映画祭特別賞、アカデミー賞ノミネートされた。
以前公開された時はアメリカ公開版の短縮版だったが、今回はオリジナル全長版による上映となる。
(1951年イギリス映画/2時間4分/テクニカラー/スタンダード)
配給:ケイブルホーグ
公式ページ:http://www.cablehogue.co.jp/hoffmann_white/index.html
【ストーリー】
ホフマンは19世紀のドイツの詩人でオペラ、童話、幻想小説家等、数多くの文学作品を残している。そして、音楽を愛し、大の酒好きであった。そんなホフマンがドイツのニュルンベルグのオペラ劇場の幕間に学生たちに囲まれて、酒を飲みながら、過ぎ去った夢のような恋の物語(パリでのオランピアとの恋、ヴェネツィアの高級娼婦のジュリエッタとの恋、ギリシア孤島での歌手アントニアとの恋)を学生たちに話すのであった。
情報提供:ケイブルホーグ
(写真も含む)
【みどころ】
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これは、イタリア映画ではなく、イギリス映画。何故にイタリア映画特集で取り上げるかは、すべて2つめのエピソードであるジュリエッタとの恋の物語にあります。予備知識なしにこの作品を観たときに、このジュリエッタの場面で流れ始めた曲がよく聞く聞きなれた曲であることにびっくり。イタリアが舞台のオペラをイタリア映画で観ていて当然といえば当然ですが、この映画を観ると、『ライフ・イズ・ビューティフル』の中で、この作品が使われたかが、よくわかります。オペラ、バレエであるのですが、とてもファンタジックなストーリーに悲しい恋の物語、わくわくする気持ち、二人の裏にまとわりつく暗い影の男、とってもカジュアルな受け入れ方ができる作品です。
一方、舞台劇として表現するわけですから、詳細な舞台装置をすべてに作るわけではありません。ヴェネチアの物語とはいえ、ヴェネチアロケをするわけでなく、舞台は娼館のなか。印象を残す部分は大きく誇張し、省略すべきは省略する、、、この方法でできあがったイメージは、そう、フェリーニがよく使われていた手法。フェリーニはまったくオリジナルな独特なオリジナルな表現方法でしたが、しかしその源泉はここに(といっても、この作品というわけではなく舞台劇全般かもしれませんが)見出す事ができ、とても新鮮な驚きなのです。
また、テクニカラーというカラー映画の初期の作品、しかも退色しにくいという特徴をもつカラー方式ゆえ、50年経った今でも鮮やかな色彩を再現してくれます。そして、色使いがとても印象に残るきれいな映像設計をしており、半世紀を越えた新しさは必見です。